健康増進やモテにもつながる シニアから始める楽器の効能
家族はもちろん、楽器を通して交友関係を広げるのも、音楽の魅力だ。前出の大内氏も、「異性に人気の楽器を習う、という手もあります」とこう言う。
「取材では女性から、男性のサックス、チェロ、ギター姿にしびれるという声が聞こえてきました。指遣いにセクシーさを感じるようです。男性からは、女性のフルートとバイオリン姿。フルートは唇、バイオリンは立って弾いているときのしなやかな姿に魅せられるようです。グループレッスンで結婚相手が見つかる、ということはあるようで、取材時も何例か聞きました」
性格や経歴で向いている楽器を選ぶのもありだ。大内氏によると、①陽気なタイプや営業マンなどは、トランペットなどの金管楽器②事務系などきめ細かい仕事をしてきた人やメカ好きはフルート、オーボエなどの木管楽器③管理職や指導系の仕事の人は演奏をリードするドラムやバイオリンが向いているそうだ。
「ストレス発散には何といってもドラムですね。これには私も体験レッスンではまりました。ただ、楽器は高額で手が出ないという人なら、ケンハモ(鍵盤ハーモニカ)がオススメです。小学校か中学校で習ったピアニカ、メロディオンです。大人用に開発されていて、1万~2万円程度で大人向けの性能のよいものが買えます。息を吹いて鍵盤を鳴らすので、脳と呼吸器の両方が鍛えられます」
また先の論文では、〈楽譜を見ながら3カ月間の鍵盤ハーモニカによる演奏をすると高齢者の言語記憶を回復させる〉との研究結果も発表している。実際、福岡県古賀市の介護支援課では介護予防として、鍵盤ハーモニカ教室を実施している。