人生100年時代 自分を変えられない頑固者は元気で死ねない
高齢な患者に最も近い立場になるであろう医師は好むと好まざるにかかわらず、必要に応じて患者の人生を思考し、健康デザインを描いて指導する責務もあるのではないかと横山教授は言う。
「サラリーマンなら60歳で定年退職後、人生のゴールを迎えるまで、残り20~30年を生きていかなければなりません。それもこれからは技術革新により社会も個人も大きな変化を強いられる。高齢者といえども例外ではないでしょう。自分を変えられない頑固な年寄りはますます息苦しくなり、ピンピンコロリに代表される元気で死ぬことは難しくなるのです」
だからこそ今、医師はもちろん、患者も生活習慣病の克服を介して「患者の行動を変え、考え方を変える」技術を学ばなければならないと横山教授は言う。
「いまは医学が進歩し、新しい医療法の導入が盛んで、医療体制も大きく変化しています。その結果、人は簡単には死ななくなりました」
例えば急性心筋梗塞で亡くなるケースは激減している。
急性心筋梗塞の院内死亡率は1978~82年は16・30%だった。それが2000年には4・90%(国立循環器病研究センター)まで改善されているのだ。