徐々に薄味には難しい…医師が勧める我慢不要の減塩法とは
日本での高血圧治療目標値が引き下げられたとなると、より食生活改善に努める必要がある。具体的には、減塩だ。
「濃い味付けだった人が、徐々に薄味にしていくのは難しい。むしろ一気に塩分量を減らし、慣れることを目指した方がいい。必ず慣れます」
こう言うのは、医療機関で食事指導を行う、横浜創英大学名誉教授で管理栄養士の則岡孝子氏。
減塩の物足りなさを少しでも減らすために勧めるのが、酢だ。
「おひたしなどは醤油を少量にして、レモンなどの柑橘類を搾ったり、酢をかける。塩味が少なくても気にならなくなります。酢の成分である酢酸には、血管を広げるアデノシンに働きかけ、血圧の上昇を抑える効果もあります」(則岡氏)
ちなみに、血圧が高めの人が大さじ1杯の酢を含む飲料を10週間毎朝続けたところ、上の血圧が平均6.5%減ったというデータもある。
醤油のつけ方にも工夫を凝らしたい。
「刺し身などにべたっとつけると、醤油の取り過ぎになる。刺し身の端にちょっとつけ、その部分から口に入れれば、醤油の味を先に感じ、少量でも満足します」(則岡氏)