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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

健康寿命のカギ“ABC”は冬に悪化 糖尿病患者の調査で初確認

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 なお、それぞれの数値は、ガイドラインで定められている治療目標値です。

 その結果は、いずれの数値も春から夏に近づくにつれ目標値の達成率が上昇し、冬に近づくにつれ達成率が下がるというもの。2年間追った調査でしたが、各月で見ても、HbA1c、血圧、LDLコレステロールいずれも同じような動きをしていました。

 では、夏と冬では? 6~8月を「夏」、12~2月を「冬」とし、見比べると、その差は驚くものでした。A、B、Cのすべて、つまりHbA1c、血圧、LDLコレステロールのすべてが目標値を達成しているのは、「夏」は15.6%。そもそもこれも低いですが、さらに「冬」になると、わずか9.6%しかいません。

 血圧とLDLコレステロールはそのままで、HbA1cを8%未満に上げて条件を緩くしても、A、B、Cすべてが目標値を達成しているのは「夏」で23.7%、「冬」になるともっと低い15%です。

 それぞれひとつずつ見ると、これほどには差がないのです。HbA1cの達成率は夏53.1%、冬48.9%、収縮期血圧(上の血圧)の達成率は夏56.6%、冬40.9%、拡張期血圧(下の血圧)は夏73.4%、冬64.1%、LDLコレステロールは夏50.8%、冬47.2%です。

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