著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

新たな出会いがあるデイサービスは脳を使う「新天地」

公開日: 更新日:

介護を行う子どもにとっても負担軽減になる

 サービスを受けるためには「要介護」の認定が前提。1997年に制定された介護保険法に基づいて、自治体と民間の事業所が連携して行っているものだ。一般的なデイサービスは、内容、料金などは被介護者の収入や要介護レベル、あるいは居住するエリアによって多少異なる。基本的には、送迎付きで食事、入浴、各種のレクリエーションなどで5~7時間施設で過ごす。仕事など家族の都合に合わせて延長が可能なところも多い。家に引きこもりがちな認知症の高齢者だが、体を動かすことになるし、同世代の人間との交流機会もある。施設では介護の専門家であるケアマネジャーやヘルパーらが対応してくれるから、新しいコミュニケーションの場にもなる。

 なによりも日ごろ介護を行っている子どもにとっては、肉体面、心理面の負担を軽減できる。さらに施設のスタッフからのリポートなどで、立ち居振る舞いなど日ごろ気がつかなかった親の新しい面を知ることにもなる。先に述べた嫉妬心に駆られた女性などは「結婚して60年。はじめて夫が歌っている姿を見た」とオカンムリだったそうだ。認知症の高齢者にとってデイサービスの場は、いろいろな意味で新たな出会いの場であり、まさしく「脳を使う場」でもあるのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭