働くのは認知症患者 カフェレストランとパン工場を訪ねて
時給は100円~300円
家庭料理を中心にした日替わりメニューで、漬物、鶏のから揚げ、カレー、とんかつ、野菜たっぷり豚しゃぶ、やわらか豚角煮……。1日10品目、1週間で約70種類の料理を調理する。
昼食は11時30分からで、一般の利用者は、受付で750円(会員は500円)支払うと、アルミのトレーが渡される。当日のメニューが大皿や鍋に入っており、ご飯、味噌汁などを含む料理は1回だけ取り放題。お茶など飲み物も飲み放題だ。
「認知症患者さんには、都合のいい日を選択していただき、働くスケジュールを組んでおります。対価は1時間あたり100~300円の週給支払いで、認知症患者を抱えている地域住民からも、毎日のように問い合わせが来ております」(木村さん)
「かめキッチン」は、認知症患者のリハビリも兼ねており、9時にバスでデイケアセンター(または自宅)に迎えにいき、9時30分から健康チェック、体操、10時30分から着替えてキッチンに入る。
「10人ほどの認証症の方にNPO法人のスタッフやボランティアの方ら3人ほどがついて、作業を進めています。仕事は各人の技量に応じて、包丁を使う人、油ものを担当する人、皿を洗う人など仕事を分担しています。時々、調味料の置き場所を忘れる場合などがありますが、作業に支障はありません」(木村さん)
仕事は13時30分終了。バスで入居先に送られる。
「かめキッチンの開店から1年経ち、認知症患者の皆さんの症状がどのように改善しているか、データの集計を始めていますが、少なくともここで働いている認知症患者は、1年前に比べて、笑顔が増えていると実感しています」(鈴木理事長)