すべてが怖いわけではない がんと間違えやすい膵臓の病気
慢性は繰り返し炎症が起きて膵臓が小さく硬くなり、消化液やインスリンなどの分泌能が損なわれた状態をいいます。よく「酒飲みは慢性膵炎になる」といわれますが、そうとは限りません。膵臓でなく肝臓にきて肝硬変になる人、飲んでも健康な人とさまざまです。その違いはアルコールに対する遺伝子の感受性にあるといわれています。
最近目立つのが、腫瘍性膵嚢胞です。腫瘍には良性と悪性があり、がんである悪性は「勝手に増殖」「転移・浸潤」「悪液質を発生」という特徴がありますが、良性は「勝手に増殖」しても他の特性がありません。良性、悪性にかかわらず治療は手術が基本です。
腫瘍性膵嚢胞の中で目立つのが「膵管内乳頭粘液性腫瘍」(IPMN)です。膵管にブドウの房状の腫瘍ができるもので、主膵管型と分枝型があります。がんに移行するものもあり注意が必要です。
脾臓に接する部分にできやすいのが「粘液性嚢胞腫瘍」(MCN)です。1~2センチなら経過観察するケースも少なくありません。「漿液性嚢胞腫瘍」(SCN)はめったに見られない腫瘍です。確定診断がつけば基本は経過観察となります。SPNは20~30代の若い女性に多い膵臓の腫瘍です。悪性である可能性はかなり低いとされています。