日本語学者・山口仲美さん がん手術で抱えた“選択の悩み”
1つは、膵臓がんで亡くなったスティーブ・ジョブズさんの記事です。彼は、膵臓がんが見つかった時、手術ではなく、代替医療を選んだ。でも、それはダメだった。死の直前まで、彼は最初に手術を選ばなかったことを後悔していたという記事です。
もう1つは、セカンドオピニオンを仰いだ先生が「あなたが私の家族だったら、どんなことをしても手術を受けさせます」と言ってくださったこと。
幸い、大腸がんの時からかかっていた病院は、難易度の高い膵臓がんの手術も見事にこなしている病院でしたので、その病院で予定通り手術を受けました。確かに膵臓がんの手術もうまかった。
さて、手術の後には、がん患者には、3番目の選択の悩みが襲ってきます。抗がん剤治療を受けるか受けないか。抗がん剤治療が生存率を少し上げるというデータがありましたので、受けましたが、つらくて挫折寸前。
第4に襲ってくるのが、主治医との相性の問題。私の場合は、膵臓がんの手術をしてくださった外科医がそのまま抗がん剤治療の主治医になった。