「子供に行き過ぎた除菌は必要ない」免疫学の専門家が指摘
腸内細菌は、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」、大腸菌などの「悪玉菌」、それ以外の「日和見菌」の3つのグループがある。中でも重要なのが日和見菌だ。日和見菌は腸内細菌の4分の3以上を占めていて、腸内の善玉菌が優位になると善玉に協力し、逆に悪玉菌が増えると悪玉の味方につく。病気の予防や免疫力をアップさせるには、強い抗酸化作用によって健康に役立つ善玉菌の優位を保ちながら、サポートする日和見菌の種類と数を増やす必要があるのだ。
■種類と数の多さが免疫力を高める
日和見菌の種類をいかに増やせるかは、3歳までの生活ぶりが大きなカギを握っている。
「ヒトの腸内細菌の種類は生後3年間でほぼ決まるといわれ、それまでに体内に取り込んだ細菌がIgA抗体とくっついて定着することがわかっています。無菌状態だった母親の胎内から生まれてきた赤ちゃんは、そこらじゅうをなめて回ります。これは、多種多様な細菌を早く体内に取り込んで腸内細菌の種類と数を増やし、免疫機構を鍛えるためだと考えられているのです」(藤田氏)