幹細胞を吹き付ける「スプレー法」は画期的な治療になる可能性
幹細胞を利用した新しい再生医療が、高度な施設や複雑な準備も必要なく、低コストで簡単に実施できるとなれば、一般に広まるのは間違いありません。広く普及すればそれだけコストも下がるので、さらに実施する施設が増えるという好循環が生まれます。
ただ、スプレー法は臨床試験が始まったばかりなので、まだ様子を見る必要があります。現時点では、20~80歳の3人の重症心不全の患者さんに実施され、これから2年かけて安全性と有効性が確認されます。
もちろん、このまま順調にスプレー法が実用化されれば、画期的な治療法のひとつになります。最終的には根本的な手だてが心臓移植しかない重症心不全の患者さんにとっての光明になるでしょう。大いに期待しています。
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