血行の改善が効果的?浴槽入浴で心臓病を予防できるのか
浴槽入浴は、体を温めることによって血行の改善を促し、健康にも良い影響を与える可能性があります。実際、浴槽入浴をしている高齢者では要介護者が少ないという研究も報告されています。
英国心臓病学会が発行している心臓病の専門誌に、浴槽入浴の頻度と健康への影響を検討した研究論文が2020年3月24日付で掲載されました。
この研究では、心臓病やがんを発症したことがない40~59歳の日本人3万76人が対象となっています。研究参加者は浴槽入浴の頻度に応じて、週に0~2回、週に3~4回、ほぼ毎日の3つのグループに分けられ、心臓病や脳卒中との関連性が比較されました。なお、研究結果に影響を与えうる、食事習慣や心臓病の危険因子などについて統計的に補正して解析をしています。
1990年から2009年まで追跡調査を行った結果、浴槽入浴の頻度が週に0~2回の人と比較して、ほぼ毎日の人では心臓病のリスクが35%、脳梗塞のリスクが23%、脳出血のリスクが46%、脳梗塞や脳出血を含む脳卒中全体のリスクが26%、統計的にも有意に低下しました。他方で、心臓突然死や、くも膜下出血のリスク低下は示されませんでした。