新型コロナによる「医療崩壊」は確実に迫ってきている
そうしたパターンで一般病院のベッドが埋まると、その次の新型コロナ患者はさらに人も設備も足りない施設が診ることになります。そうなると、治癒する見込みがどんどん少なくなって死亡者も増えていくのです。ここまで来ると、中国・武漢であったような「新型コロナの患者を新たに見つけるのがよくない」とか「病床が埋まっているのに運ぶ方が悪い」といった責任のなすり合いが始まります。それが完全な医療崩壊の姿です。
冒頭でもお話ししたように、いまは東京都の要請で都内の医学部付属病院や特定機能病院などが集められ、新型コロナに対応する専用病床の確保が進められています。しかし、すでに院内感染を起こしていたり、クラスターになる可能性がある職員が出てしまった施設などはすぐには対応できないため、なかなか足並みが揃いません。
緊急事態宣言下でも新たな感染者が一定数以上見つかれば肺炎患者は出てきますから、その結果、次に発生した新型コロナの肺炎患者はどこでどのように治療されるのか、というプランが立たなくなってしまいます。それがいま起こりつつあるのです。