筋痛性脳脊髄炎に注意 SARSでは1年後に17%が職場復帰できず
「欧米に比べると日本での新型コロナウイルスの死者数は確かに少ないのですが、抗体検査などの結果から推測すると、感染者数も桁違いに少ないと考えられます。しかし、台湾など東アジアの国に比べれば、死者数は決して少なくない。国際医療センターの報告では、日本が7.5%、中国が28%、英国が26%、米ニューヨーク州は21~24%となっていますが、ドイツの死亡率は日本より低いと推定されます」
注意したいのは欧米の死亡率は患者急増パニック期であることだ。
「7月末から8月にかけての感染者数に対する死亡率は日本と同等から2倍程度にすぎないのです。重症の患者さんでは、退院後も肺や心臓の機能が十分回復せず、元の社会生活に戻れない可能性があります。また、軽症であっても、脳炎や筋炎などの後遺症で、頭痛や筋痛などの違和感が残り、完全に正常化するにはかなりの時間を要します。この原因として、感染して発症後、ウイルスが2週間くらいでは消失せず、2カ月以上にわたり体の中に増殖できる状態で残っている可能性が示唆されています」
最近は若い世代の感染者が増えている。
「若い人は感染しても症状が無いか軽症で、すぐに体力も快復するといわれていますが、少なからぬ若者が長期間後遺症に悩まされていることも認識しておく必要があります」