脳梗塞を予防する「左心耳」への処置が保険適用になった
順天堂医院では、心臓手術に付随した左心耳に対する処置が3600例を超えていて、おそらく世界でいちばん症例数が多い施設です。これまで積み上げてきたデータと成果を海外の学会で発表するなど、ある程度のエビデンスも構築できたと自負しています。
今年の4月から保険適用になった「左心耳閉鎖術」は、カテーテルを使って血管の中に器具を留置して左心耳を遮断する方法で、心房細動を治療中の患者さんで抗凝固剤の長期的な服用が難しい場合に限って認められました。あくまでも心臓手術に付随した処置で、脳梗塞を予防するためだけに実施することはできませんが、大きな一歩であるのは間違いありません。
これまで、左心耳に対する処置はどの病院でも行える一般的な治療ではありませんでしたが、保険適用をきっかけに広まっていくでしょう。先行する施設の責任として、さらなる安全性と簡便性を見つけていく責任をヒシヒシと感じています。
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