古谷彰子
著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【豆腐】脳卒中が心配な季節だからこそ朝に食べたい

公開日: 更新日:

 室町時代の頃に庶民に流通するようになった豆腐。それまでは、殺生のできない僧侶たちのために作られていたそうです。原料となる大豆は、夏、秋、中間大豆と時期によって種類が異なります。豆腐には、大量に取れる秋大豆を主に使います。10月に収穫した大豆を乾燥して、豆腐用の新豆として出回るのは年末から年明けにかけて。新鮮な大豆を使って作る1~2月が、豆腐の旬といえるでしょう。

 そんな豆腐ですが、栄養価を大きく分けるとタンパク質と脂質が豊富です。特にタンパク質は必須アミノ酸と呼ばれる体の中で生成されないアミノ酸が十分に含まれ、血液中のコレステロール低下作用、血圧上昇抑制作用などの効果が。ぜひ朝に食べたいですね。

 また、脂質の中でリノール酸は、善玉コレステロールを増やす働きがあるので、高血圧やコレステロールが原因となる動脈硬化を防ぎ、脳出血、心筋梗塞、狭心症などの予防に効果があるとされ、健康維持を増進させるための食品「機能性食品」としても注目されているのです。

 その他にも、脂肪肝や認知症にも効果的なレシチン、老化のもとになる脂肪酸の酸化を防ぐサポニン、腸内の善玉菌やビフィズス菌を増やすオリゴ糖、骨や歯の成長に関わるカルシウム、糖尿病の治療や予防に期待されるトリプシンインヒビター、骨粗しょう症やがん、動脈硬化に効果的なイソフラボンなどさまざまな機能性が明らかになってきています。豆腐を多く食していた地域に長寿者が多いことからも、健康的に長生きするための必需食品かもしれません。海外でも「TOFU」として注目されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題