ED治療薬の意外な効能 元気になるのは男性機能だけではない
その後も国内のED治療薬は「レビトラ」「シアリス」と3剤が認可され、今ではジェネリック(後発薬)も数多く発売されています。これらのED治療薬は、すべて「PDE5阻害薬」という種類の薬になり、ED患者の70~80%に効果が認められています。
しかし、勘違いしてはいけないのは、PDE5阻害薬は勃起させる薬ではなく、勃起を維持させる薬だということです。ですから飲んだだけでは勃起はせず、AVを見たり、ペニスを刺激したり、性的刺激がなければ薬の効果は表れません。
では、どのような作用で勃起を維持するのでしょうか。勃起するときは陰茎海綿体の中で「サイクリックGMP」という筋肉を弛緩(しかん)させる物質が増えます。しかし、この物質はずっと存在するのではなく、「PDE5」という酵素によって分解されてしまいます。サイクリックGMPが分解されてしまうと、陰茎海綿体の筋肉が収縮して勃起が維持できません。PDE5阻害薬は、勃起を消えさせる酵素の働きを邪魔する薬なのです。
また、PDF5阻害薬の効果は勃起の維持だけではありません。長く服用していると、全身の血管の収縮・拡張を調節する血管内皮の働きを良くして、血管を若返らせるのです。それにPDE5阻害薬は、排尿障害を起こす前立腺肥大症の治療薬としても認可されています。中高年男性の強い味方となる薬なのです。