ED治療薬の意外な効能 元気になるのは男性機能だけではない
中年以降の男性にとって、加齢に伴う一大関心事は「ED(勃起障害)」ではないでしょうか。朝立ちがなくなったり、性交の途中に「中折れ」したりします。何よりショックなのは「男性としての自信を失う」ことです。「愛する女性を満足させられない」という失望感による精神的ダメージは大きなものです。
そんな男性の悩みを解消する画期的な薬として一大センセーションとなったのが、1998年の「バイアグラ」の登場です。日本でも翌年から使用可能になりました。バイアグラは、もともとは狭心症の治療薬として研究・開発されました。
しかし、臨床試験を行っても被検者の狭心症にあまり効果がありませんでした。それで臨床研究が中止となり、被検者から残った薬を回収しようとしたところ、男性の被検者の多くはなかなか返そうとしませんでした。なぜかといえば、バイアグラを飲んでも心臓に流れ込む血液はあまり増やしませんでしたが、ペニスに流れ込む血液量を増やすという効果(副作用)があったからです。この偶然の発見によってバイアグラはED治療薬として誕生したのです。