首<上>頚椎症には痛みナビ体操が効く リハビリ専門医が推奨
しかし、首の無理な姿勢が続くと線維輪が耐えきれなくなって亀裂が生じる。線維輪の内側に亀裂が入っても神経がないので、この時点では痛みは感じない。ところが、さらに悪い姿勢が続くと亀裂が徐々に外側に広がっていき、神経がある線維輪の外側まで亀裂が達すると痛みを感じるようになる。一度、亀裂が線維輪の外側まで及んでしまうと、亀裂に沿って神経が線維輪の内側にまで伸びていくので、髄核のズレが外側までいかなくても神経を刺激して、首の痛みを感じるようになるのだ。
「椎間板は血流の乏しい組織なので、栄養が届きにくく、一度亀裂が生じると、なかなか治りません。しかし、首の痛みが出たら、とりあえず痛み止めを飲むというだけの対処法はお勧めできません。頚椎症の骨の変形は運動療法では治りませんが、骨の変形の原因である椎間板のズレは運動療法で戻すことができます。髄核のズレを戻せば首の痛みを改善することができますし、筋肉の収縮による肩凝りも治ります」
このようなことから、銅冶院長は、頚椎症が疑われる患者に自ら考案した痛みを和らげる運動療法(痛みナビ体操)を勧めている。