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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

男女とも喉頭がん経験者トップ 2度目のがんのリスクと予防

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 第2のがんを種類別に並べると、発症者数が多いのは男性で肺がん(19%)、前立腺がん(14%)、膀胱がん(11%)、大腸がん(10%)の4つ。女性は、肺がん(19%)、乳がん(17%)、大腸がん(11%)、子宮がん(7%)でした。

 死亡者数については、男性は肺がん(33%)、大腸がん(9%)、すい臓がん(9%)で、女性は肺がん(31%)、すい臓がん(9%)、乳がん(6%)です。

 では、どのがんのサバイバーが第2のがんの発症リスクが高いか。男性は、喉頭がんサバイバーが1・8倍で、ホジキンリンパ腫サバイバーが1・6倍。女性の1位も喉頭がんサバイバーで2・5倍、食道がんサバイバーが1・9倍です。

 第2のがんの死亡リスクはどうでしょう。男性は、胆のうがんサバイバーが3・8倍で、女性は咽頭がんサバイバーで4・6倍です。

 第2のがんで、男女とも喉頭がんの発症リスクが最高なのは見逃せません。喉頭がんは喫煙が強いリスク因子で、その影響が残りやすいことを象徴しています。一般に禁煙によるがんの罹患リスクが生涯まったく吸わない人と同じレベルになるには20年以上。ミクロレベルのがんが1センチ前後に顕在化するまで10~30年かかることから、第2のがんは第1のがんと並行して大きくなっていた可能性もあります。

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