激増する「心不全」 原因の発見が根本的治療へつながるか

公開日: 更新日:

 心不全は心筋細胞が肥大化する病気だが、スポーツを続けている人の心臓も運動負荷によって心筋細胞が肥大化している。これはスポーツ心臓といい、病気ではない。

「2つを比較すると、スポーツ心臓のミトコンドリアは正常なのに対し、心不全ではミトコンドリアの数が少なく、形態異常や機能低下が見られました。それによってエネルギーが産生できず、心不全発症につながっていたのです」

 もう一点、心不全の原因として注目されているのがDNA損傷への修復機構の活性化だ。細胞に存在するDNAが加齢や活性酸素などで損傷を受けると、体に備わる修復機構が活性化。これが、がん予防になる。

 しかし、がんのない心筋細胞では、DNA損傷への修復機構の活性化が炎症を引き起こし、心不全を増悪し、逆に活性化の抑制が心不全の症状を軽減する。

「心不全の2つの原因はリンクしている。正常な心臓ではミトコンドリアが元気で、エネルギーが産生されている。しかしミトコンドリアの機能不全でエネルギー産生が低下し、心機能が低下すると、ミトコンドリアが頑張って働き、活性酸素が生じる。それがDNAを損傷し、修復機構が活性化し、結果、心不全となるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」