著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ヤマカガシには毒を注入する「毒牙」がなく毒の被害は珍しい

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 それでも、大半の患者は対症療法で回復します。しかし重症患者の治療の切り札はやはり抗血清です。打ってから数時間で血液凝固機能が改善され、出血が止まるといいます。できるだけ早く打ったほうがいいのですが、受傷後50時間を経過した患者でも十分な効果があったという報告もあります。

■ヤマカガシの毒の抗血清は入手が難しい

 ただしヤマカガシ毒の抗血清は、入手がきわめて難しいのが現状です。医薬品としては未承認で(患者が同意すれば使ってよい)、しかも使用頻度が少なすぎ、作っても採算が合わないのです。唯一、日本蛇族学術研究所が国の研究費などを使って試験的に作っていたのですが、すでに在庫は底をついているいるようです。市中の病院に眠っているのが見つからない限り(ただし有効期限切れで効力が低下していると思われます)、手に入らないかもしれません。

 なお、ヤマカガシ咬傷で亡くなった人は、1970年代から現在までに3人ないし4人、重症患者は約40人とされています。死因は「DIC」(播種性血管内凝固症候群:血が止まらなくなる症状)からの急性腎不全や脳内出血などでした。

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