著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病予備群も危ない 心筋梗塞や脳卒中のリスクが2倍以上

公開日: 更新日:

 研究を行った医師は「糖尿病予備群の段階で、主要な心血管疾患の危険性がほぼ2倍に上昇。糖尿病に進行しなくても、心血管疾患の危険性を大幅に高める」と述べています。

 糖尿病予備群は「糖尿病になりかけているものの、まだ糖尿病ではない」とよく言われます。たしかにそうなのですが、米国の調査結果を見ると、「まだ糖尿病ではない」という、どちらかというと安心に傾く考え方は適切ではないでしょう。米国人と日本人では体質も食生活も異なるので、米国の調査結果をそっくり日本人に当てはめられないとはいえ、深刻に捉えるべきです。

 血糖値は、「正常型(糖尿病ではない)」「境界型(糖尿病予備群)」「糖尿病型(糖尿病)」の3つに分けられます。

 正常型は、空腹時血糖値が100㎎/デシリットル未満でHbA1cは5・6%未満(日本の場合、以下同)。一方、空腹時血糖値が126㎎/デシリットル以上かつHbA1cが6・5%以上は糖尿病型で、空腹時血糖値またはHbA1cのどちらかが高い場合は、再検査が必要となります。

 そして、正常型よりは数値が高く、しかし糖尿型まではいかない場合が境界型糖尿病、すなわち糖尿病予備群です。検査数値は、空腹時血糖値110~125㎎/デシリットルかつHbA1cが6・5%未満となります。

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