著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

医師は病気を治せない。良くなるお手伝いをしているだけ

公開日: 更新日:

 恩師に呼ばれてアフリカの奥地に赴いたブラック・ジャックは、人間を含むあらゆる生き物が細胞レベルで体が縮んでいく「組織萎縮症」という奇病の治療に当たることになります。組織萎縮症の血清を作り出したブラック・ジャックは、発病し病床に伏せる恩師に注射をしようとしますが、その時、恩師から奇病の意味を告げられます。

 それは、人口が爆発する危惧から、限られた食糧を分かち合うためには生き物が体を小さくしなければならないという、神の警告であるということを、です。医者は病気を治して命を助けた気になっているけれど、それが人口増加、やがては食料危機を招き、何億人も飢えて死んでいく。その不条理な物語は、医療は治療ではないことを物語っています。

 また現在放映中のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」には、在宅医療を行う田舎の診療所が登場します。

 ここで働く若い医師は、自分のキャリアとして在宅医療に進むかどうかの岐路を迎える中で、がん患者さんを「治せない」事実を目の当たりにし、「治す」医療ばかりをやってきた不遜な今までの自分自身と向き合っていきます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議