ケアマネは患者や家族にとっての一番身近なよろず相談員
ある患者さんがいました。その方は認知症と糖尿病、そして活動性が低下したために体にさまざまな症状が出る廃用症候群を患う、要介護3の一人暮らしの男性。
この患者さんは当初、入院することも在宅医療にも全く乗り気ではありませんでした。その様子にケアマネも「在宅医療導入は難しいのでは」と思いつつ、しかし布団の上で意識を失っているのをたまたま訪問した友人が見つけたり、熱中症でたびたび救急搬送されることが続いたため、定期的に医療の介入が必要と考え、在宅医療をスタートしました。そして在宅医療を開始して2年足らずで、この患者さんは旅立たれて行かれました。
その時の訪問看護師さんが、スタッフ間で使う医療介護専用SNSに寄せた最期の見送りをした時の様子を紹介します。
「皆さまいつもお世話になりありがとうございます。本日のご様子の報告をさせていただきます。タッチング、声掛けをして10分後にスッと呼吸が止まりました。表情は穏やかでした。医師による死亡診断後、エンゼルケア(死後処置)を行いました。ヘルパーさんに手配頂いた新しい服を着せ、当事業所にあった敷布団も持参し、大好きな日本酒やビールも枕元に置いて穏やかに送り出せました。ケアマネさんが連携の強い在宅チームをつくっていただいたおかげで、最期まで自宅で過ごしたいという患者さんの意思がかなえられ、しかも最期は一人でなく、看取りできて良かったです。皆さまありがとうございました」
さまざまな人の思いで支えられているのが在宅医療なのです。