温かい飲み物を持つと脳の前頭前野が活性化しポジティブに
人間関係は想像している以上に複雑です。「この人、苦手だな」と感じてしまえば、その瞬間から苦手意識が芽生え、その人との関係性は向上しづらくなってしまいます。一方、自分と気が合う人とだけで人間関係や仕事を続けていると、居心地の良さこそあるかもしれませんが、刺激が足りずに井の中の蛙(かわず)になってしまう可能性も否めません。
どうしても苦手な人とは付き合う必要はありません。しかし、好きか嫌いか判別できない段階においては、なるべくフラットな目線を持って他者と接した方が、視野も可能性も広がるはずです。
誰かと話し合いをしたり、打ち合わせをしたりする――。その際に覚えておきたいのが、「温かいものに触れる」。
ささいなテクニックかもしれませんが、「冷たい飲み物が入ったカップを持つときと比べて、温かい飲み物が入ったカップを持って接したときの方が他者をより温かい人物であると評価する」とは、米国のコロラド大学のウィリアムズとエール大学のバーグの研究(2008年)です。
この研究は、世界的に権威を持つ学術雑誌のひとつ「サイエンス」で発表されたもの。実験では、41人の被験者に温かいコーヒー、あるいは冷たいコーヒーを持たせた後、質問用紙に書かれた人物についての評価を行ってもらいました。