10代のコロナ感染者が急増 子供へのワクチン接種「メリット」と「デメリット」を考える
ちなみにファイザー社製ワクチンの12~15歳の小児への有効性については1131人にワクチン、1129人に偽薬を3週間間隔で2回接種した7日後に発症状況を比べた治験の結果が公表されている。ワクチン群で発症した小児は0人、偽薬群は16人が発症した。ワクチン効果は100%と推定された。
■合併症や後遺症のリスクは?
ワクチン接種のメリットのひとつは感染リスクが下がることで感染時の合併症リスクも下げられる、ということ。
米国疾病対策センター(CDC)が報告した新型コロナウイルス感染に合併する可能性がある疾患は多い順に、「急性腎障害」(10万人中125.4人)、「肺塞栓」(同61.7人)、「深部静脈血栓症」(同43人)、「心筋梗塞」(同25.1人)。ただし、これらの疾患は子供には少ない。大人ほどのメリットはないだろう。
問題は心筋炎だ。感染者の0.146%に認められるとCDCは先月31日に声明を出した。通常の心筋炎の発症率は0.009%のため、新型コロナウイルス感染は心筋炎の発症率を16倍高くする可能性がある。一般的な心筋炎に比べて16歳から39歳の感染者は7倍増加するとされるが、16歳未満と75歳以上ではそれが30倍以上高くなると報告されている。