「失踪白人女性症候群」は米国社会の病根をあぶり出す
アメリカでは最近、若い白人女性の失踪事件がテレビを賑わせています。コロナや政治ニュースを上回るほどの大量の報道に対し「失踪白人女性症候群」という言葉まで登場したほどです。
今回失踪したギャビー・ペティートさんは、ボーイフレンドのブライアン・ランドリーとキャンピングカーの旅に出ていました。ある日、ランドリーが1人で自宅に戻り、その後、ギャビーさんは遺体で発見。ところが今度は、事件への関与が疑われているランドリーが失踪し、まだ発見されていません。
これが2人の失踪前の楽しそうな映像と共にまるで犯罪ミステリーのように連日報道され、視聴者は取りつかれたように夢中で見ています。
そこで出てきた言葉が「失踪白人女性症候群」です。
もちろん正式な病名ではありません。
アメリカでは多くの失踪事件が起きていますが、大きく報道されるのは白人女性ばかり。黒人が失踪事件の30%を占めているにもかかわらず、ほとんど報道されません。そこに人種偏見があるという批判を込めた言葉です。