コロナだけに注意を払っていると…第6波と同時にインフル大流行の声も
■がん死は14%増予測、自殺は1000人増
そのことより、「大流行」という言葉がもたらす不安感が心配だと林院長は言う。
「先日、世界的に権威のある英医学雑誌『ランセット』に新型コロナにより不安障害とうつ病が増加したとする研究論文が掲載されました。それによると2020年の新型コロナ拡大に伴い、不安障害が7600万人、うつ病が5300万人増加したそうです。その多くは若者と女性で、若者は学校閉鎖で友達に会えない状態が続いたことが要因で、女性は、巣ごもりによる家事の負担増と家庭内暴力リスク増が原因だったということです。日本の状況も同じでしょう。新型コロナの正体がわからず治療法も予防法も確立していなかった流行初期なら仕方がありません。しかし、ワクチンも、治療薬も整いつつあり、致死率が下がっているいまは、新型コロナの不安を強調するばかりではなく、それを和らげ通常医療に目を向けさせるよう努めるべきだと思います」
実際、新型コロナ感染への不安による受診控えでがんが増えているという報告がある。