コロナだけに注意を払っていると…第6波と同時にインフル大流行の声も
むろん入院リスクが高い60歳以上、インフルエンザ脳症リスクの高い10歳未満、慢性呼吸器疾患や心血管疾患、糖尿病など持病がある人はインフルエンザワクチンを打つ必要がある。
ただし、今更騒いだところでインフルエンザワクチンの流通本数は変わらない。例年通り必要な人が冷静に考えて打てばいい。そもそも昨年もツインパンデミックへの懸念はあったが流行したのは新型コロナだけだった。
その理由は手指消毒やマスク着用、3密回避、国際的な人の移動の制限などの新型コロナ対策がそのままインフルエンザの感染予防として有効だったと考えられている。また、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスとの間にウイルス干渉が起きた可能性も指摘された。
「ウイルス干渉とは先にあるウイルスが流行していると、他のウイルスの流行が抑制される現象を言います。医療関係者の間ではよく知られている現象です。簡単に言うと先に体内に侵入したウイルスが細胞内にもぐり込むために必要な受容体(レセプター)を占領してしまうため、あとから来たウイルスが細胞への侵入口を見いだせず、感染できなくなるのです。仮に昨年、インフルエンザが極端に少なかった原因がウイルス干渉にあるのなら、新型コロナが下火になったこれからはインフルエンザに注意は必要だと思います。しかし、3密回避などの感染予防は続けられますし、海外でツインパンデミックが話題になっていません。日本だけがツインパンデミックになる可能性は低いのではないでしょうか」