脳出血で死なない、後遺症を残さないために知っておくべきこと
「例えば脳梗塞の場合、発症から4時間半以内であれば可能になる『rt-PA静注療法』という治療があります。血栓を溶かす薬を静脈内投与するもので、脳の細胞が死ぬ前に血管が再開通する。結果、ほぼ後遺症なく自宅に戻れる患者がrt-PAを使わない場合と比べて明らかに増えます」
ところがこの「4時間半」の条件をクリアするには、「様子見」をしていては難しい。救急搬送されてすぐに薬が投与できるわけではなく、rt-PA静注療法が可能かどうかを各種検査で確認しなくてはならないからだ。つまり、病院へたどり着くのが遅れれば遅れるほど治療の選択肢が減り、後遺症や命を落とすリスクが高くなる。
「rt-PA静注療法ができたとしても、発症1時間で行うか、4時間半ぎりぎりかでは成績が異なる。これにしても開始が4分遅れれば、治療成績が1%下がるといわれています。カテーテル治療では50%の患者さんが発症前と同等の生活に戻れる。しかし、4分の遅れごとに、その率が下がっていくのです」
ここまでは脳卒中を起こした場合の話だが、当然ながら、起こさないようにすることも非常に重要。