著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「遺伝子変異」では病気は決まらない 病気になる確率は6.9%

公開日: 更新日:

 病気というのは、糖尿病にしてもぜんそくにしてもがんにしてもそうですが、「生まれつきの体質」と「生まれてからの環境」の2つの原因によって起こります。

 生まれつきの体質というのは遺伝子の情報によって決まります。人間の遺伝子のすべてが解明されると、遺伝子変異という、病気の原因となる個別の遺伝子の差が多く発見され、それが病気の原因であると考えられるようになりました。

 しかし、実際に遺伝子の変異は、どの程度病気の原因と結びついているのでしょうか? 今年の米国医師会雑誌に、それについての興味深い研究結果が報告されています。多くの人の遺伝情報と医療情報を集めているバイオバンクのデータを解析したところ、病気の原因と考えられている遺伝子変異を持っていても、それで病気になる確率は平均で約6.9%に過ぎない、ということが分かったのです。

 病的とされている遺伝子変異の89%は、変異のない人と病気のリスクに無視できる程度の差しかないものでした。遺伝性乳がんの原因として知られているBRCA遺伝子の変異があっても、乳がんになる確率は38%程度でした。

 遺伝子の変異ですべての病気の原因が解明される、と思われていた時代もありましたが、今はむしろ食事運動など生活改善の効果が見直されることになりそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  3. 3

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  4. 4

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 5

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    なぜ姉妹曲「2億4千万の瞳」と売り上げで3倍もの差がついてしまったのか

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  4. 9

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  5. 10

    高石あかりって誰?→「御上先生」で知名度爆上がり 次の次の朝ドラヒロインの魅力は「アポロの歌」でも“予習”可能