市川真由美さんが語るがんとの闘い「こんな体になっても生きなきゃダメ?」と毎日泣いていた
そして、このとき個人事業主の開業届を出して入院したんです。「死んでいく私を頼りにしている家族がこの先も食べていけるようにしておかなければ」という一心でした。後々になって、結果的にこれが大正解でした。
■娘の一言が立ち直るきっかけに
転院先で、子宮と周囲のリンパ節を神経ごとごっそり取る9時間半に及ぶ大手術を受けました。それによって排泄のための神経を切ってしまったので、排尿も排便もわからなくなりました。4時間ごとに尿道に管を入れられるし、排便は下剤で出す。ものすごくショックでした。「こんな体になっても生きなきゃダメなの?」と思いました。何があっても前に進む努力はしてきたのに、このときばかりは毎日、病室で泣いていました。
そんなある日、下の子の目の前でジャーッとオシッコが漏れてしまったんです。言葉にならないほど恥ずかしくて悲しかった。でもそのとき、下の子が「汚い」でも「やだー」でもなく、「お母さん、かわいそう」と言ったのを聞いて、頑張る気持ちになれたのです。あれが立ち直るきっかけになりました。