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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ノロウイルスはO型の血液型を好む 数々の人体実験で判明

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 ただしこれは、分泌型(組織血液型抗原を有する人)に限ります。組織血液型抗原がA型、B型、AB型の人がノロウイルスに感染するリスクはほとんど同じで、O型の人だけリスクが1.5倍高いのです。

 では非分泌型(組織血液型抗原がない人)はどうかというと、ノロウイルスにはほとんど感染しないことも確認されています。

 ただし、ウイルスの株によっては、A型を好むことも知られています。たとえば2003年1月に北海道の小中学校で発生した集団食中毒では、A型の感染リスクが最も高かったことが分かっています。

 分泌型の人の胃腸の粘膜細胞には、組織血液型抗原(血液型糖鎖)がびっしりと植わっています。しかし非分泌型ではそれがありません。そのことから、ノロウイルスは組織血液型抗原を利用して感染を成立させていることが推測され、分子生物学的な研究を通して確認されています。ウイルス表面のタンパク質が、人の粘膜細胞の組織血液型抗原を認識して結合しているのです。

 また最近、培養細胞を使った実験方法が確立されつつあるため、ノロウイルスと血液型の研究がさらに進むことが期待されています。

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