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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

青森県平川市が初の助成へ 男性もHPVワクチンを積極的に接種する意味

公開日: 更新日:

 男性の場合、特に重要なのは中咽頭がんの予防です。HPVがのどに感染して発症する咽頭がんのタイプが中咽頭がんでオーラルセックスによって男女とも発症する恐れがありますが、米国では男性の中咽頭がん(年間1万2638人)が女性の子宮頚がん(年間1万1771人)より多いとする報告もあるほどなのです。

 このデータからも、男性がHPVと無縁でないことが見て取れるでしょう。今後、青森県平川市だけでなく、多くの自治体でワクチン接種の助成が続き、さらには男性も無料の定期接種の対象になることを強く望んでいます。

 女性の場合、定期接種の対象は小6~高1で、副反応問題のあおりで定期接種を逃した人向けに2025年までの時限措置として25歳までがキャッチアップ接種の対象です。これを踏まえて平川市も、男性の接種対象を小6~25歳に想定しているようです。

 女性には3種類のワクチンがあり、定期接種の対象はサーバリックスとガーダシルの2つ。そのうちのガーダシルが2年前に9歳以上の男性についても適応になりました。では、何歳で接種するのがベターか。HPVはセックスで感染しますから男女とも性交渉をする前に接種するのがベターです。

 男性も、HPVワクチンの重要性をぜひ頭に入れておいてほしいと思います。

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