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安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

石灰が腱板内にたまる「石灰沈着性腱板炎」レントゲンで容易に診断

公開日: 更新日:

 その他、特徴的な症状としては突然発症する急激な痛みです。中には痛みがひどく、深夜に飛び込みで救急病院を受診される患者さんもいます。

 幸いなことに石灰沈着性腱板炎の診断はレントゲンで容易にできます。カルシウムを含む石灰はレントゲン撮影で影として写るからです。いわゆる「五十肩」とも、また「凍結肩」「腱板断裂」との鑑別にも非常にありがたいことです。

 一方、「腱板断裂」の診断で有用であったMRIでは、腱板と石灰は似たような色合いで写ります。前述の通り、石灰は腱板の中に沈着しますので、闇夜のカラスがごとく見分けが難しいことがあります。

 ときおり「五十肩はレントゲンに写らない」「MRIがあればレントゲンはいらない」と考え、MRI撮影だけを希望される方がいます。しかしレントゲン検査は中高年の肩痛である「五十肩」のスクリーニング検査として有用な基本的検査と考えています。

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