「じっとしていても痩せやすい体」になるにはタンパク質の摂取が肝心
効率がいいのは乳製品
では、お勧めの取り方は?
【アミノ酸ロイシンの含有率が高い食品を選ぶ】
筋肉の合成には、細胞内のシグナル伝達物質mTOR(エムトール)という酵素が関わっている。これに関係するのが、必須アミノ酸のひとつ、ロイシンだ。
「食後のロイシンの血中濃度が高いほど、mTORに強く作用し筋肉の合成が促進されます。タンパク質1グラム当たりのロイシンの含有率を見ると、牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズと乳製品に多い。食事をたくさん取れない高齢者などは、高タンパク質でさらにロイシンの含有率が多い食品を選ぶといい」
【いつもの食事に“混ぜる”“かける”】
日本獣医生命科学大学客員教授で栄養士の佐藤秀美氏が特に高齢者に勧めている方法がこれ。
「タンパク質量を増やしたくても、食事の量を大幅に増やすには限界があります。しかし混ぜたりかけたりするだけなら、食生活をそう変えず、簡単に実践できます」
活用するのは、ゼラチン、ゴマ、粉チーズ、きな粉、スキムミルク、かつお節、焼き海苔、麩。かつお節、焼き海苔、麩は袋に入れて揉むなどして粉々にする。
「卵にチーズ、海苔、麩を混ぜて卵焼きを作る。肉じゃがやカボチャ煮など煮物にゼラチンを入れる。かつお節やすりゴマでしゃぶしゃぶのタレや白和えを作る。ヨーグルトにきな粉、味噌汁にかつお節をかけるだけでもいい。普段の食事にちょっと加えるだけでタンパク質の増量ができます」
ムキムキの人だけにタンパク質が必要なのではない。健康長寿のために、今日から始めよう。