堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

リモート会議するなら1対1。大勢での問題解決は対面で

公開日: 更新日:

 リモートワークの浸透で、「案外、直接会わなくてもできることがあるんだ」と思う機会が増えました。その一方で、「これはリモートでは難しい」というケースも明らかになりつつあります。

 私自身、リモートで授業を行う際は、とても苦労します。たとえば、「自宅はプライベートであるから顔出しを強制させてはいけない」という大学側のルールがあります。プライバシーの侵害に相当するため、「顔出しNG」を認めなければいけないのですが、学生がきちんと授業を受けているかがわからない。顔を出していない学生の中には、「すみません、今日の授業は寝ていて聞いていませんでした」と告白してきた子もいたくらいです。実際に顔を合わせられないことで、こうしたリモートだからこその弊害を感じる人は、たくさんいるのではないでしょうか。

 言葉による「情報伝達」を目的としたコミュニケーションであれば、リモート環境でも問題ないでしょう。しかし、「関係構築」や「複雑な問題解決」の作業には、リモートは不向きのようです。コミュニケーションを行う際、人間は言葉以外の情報(非言語情報)も重要な要素として認識しています。むしろ言葉より、表情や声のトーン、身ぶり手ぶりなどを使った非言語的なコミュニケーションのほうが、情報量が豊かといえるのです。

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