「認知症専門病院」への入院条件は?どんな処置が行われるのか
認知症専門病院は保険診療が適用されますが通常の入院と同様、個室代、クリーニング代、食事代などが別途加算されます。厚労省と慶応義塾大学の研究(2014年)では認知症の入院費用は月額およそ34万円と試算されています。
入院中は、認知症そのものの治療よりは、周辺症状の安定化、嚥下能力や着替えなど生活能力を落とさないように、運動をはじめとしたリハビリを行います。食事は認知症患者さんの病状に合わせて管理栄養士が献立を作ったり、また精神的な症状を落ち着かせるために薬を処方することもあります。認知症の完治は難しいですが、病院での治療継続、退院して在宅医療(訪問診療・看護)という選択をすることも可能です。
▽武井智昭(たけい・ともあき) 2002年、慶応義塾大学医学部卒業。さまざまな病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として研鑽を積んでいる。