認知症の非薬物的療法にはどのような効果があるのか?
「運動療法」は、運動機能を維持するために最も必要なアプローチです。有酸素運動のウオーキングやストレッチ以外に「ながら作業」がおすすめです。たとえば、足踏みしながらクイズに答えたり、椅子に座る↓腰を上げるを繰り返しながらしりとりゲームをします。筋力の低下を予防しながら、脳の血流も促すのです。とくに軽度の認知症患者さんの症状抑制や発症前の予防にも効果が期待されています。オーディオブックを聞き流しながら家事やウオーキングをするのもいいでしょう。
非薬物的療法は、完全に進行が進んでしまうと効果が期待できないため、診断前や初期・中期の段階で、主に予防医療として採用されています。
▽望月瑠璃子(もちづき・るりこ)兵庫医科大学卒業。大阪警察病院、大阪大学医学部付属病院、住友病院勤務、医学研究所北野病院などを経て、現在はルリクリニック院長を務める。日本内科学会専門医、抗加齢医学専門医ほか。