「肥満症」は治療が必要な病気 30年ぶりに新薬「セマグルチド」の承認が了承される
GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療薬としてすでに使われている。糖尿病の場合、セマグルチドは最高量が1ミリグラムだが、肥満症では2.4ミリグラムが最高量。
「肥満症では0.25、0.5、1、1.7、2.4ミリグラムと小刻みに5段階あるので、その加減で量を調整するようになるでしょう」
糖尿病の薬といえば、SGLT2阻害薬も体重減少効果が報告されている。とはいえ、数キロ程度。今回のセマグルチドが臨床試験で示したような「マイナス13.2%」(80キロであれば、マイナス約10キロ)といった劇的な減少はSGLT2阻害薬ではみられない。
子供の肥満症にも、今回の薬は使えるのか?
「海外の臨床試験では10代(12~17歳)の子供に対する効果が示されましたが、わが国では臨床試験は行われていません。ただ今後は子供の臨床試験も行われるかもしれません」
肥満は、囲み記事で紹介している健康障害のほか、がん、胆石症、肺塞栓症、気管支喘息、男性不妊、胃食道逆流症、精神疾患といった病気のリスクを上げる。だからこそ、治療が必要。