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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

「正しい情報」のあいまいさ…バイアスが情報をゆがめる

公開日: 更新日:

 さらにやっかいなことには「バイアスをかけて都合のいい結果を出すことも可能だ」という決定的な問題がある。

 バイアスを避けて正しい情報を得ることは、バイアスを意図的にかけて誤った情報を生み出すことと表裏一体である。捏造や改ざんなど不正をしなくても、表面化しないようなバイアスをかけて都合のいい結果を出すようなことがしばしば行われている。

 マスク着用の効果についての議論を見ていると、効果ありという人もないという人にも、そういう傾向が見られる。結論ありきから、それに都合のいいデータを生み出すというのは、あらゆる状況で避けがたい根本的なバイアスのひとつなのだ。

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