聴力は問題ないのに会話の内容がわからない…それは「APD」の可能性

公開日: 更新日:

 APDと診断される場合、まずは純音・語音聴力検査で異常がないことが前提になる。大阪公立大学付属病院ではほかにも問診票(チェックリスト)、聴覚情報処理検査(APT)のほか、発達面や心理面の検査も行い、診断を下すという。

「検査量が多く時間と労力がかかるので、すべての耳鼻科で行うのは難しい。現状、診断できる病院が限られている問題があります」

 実際、今年7月に耳鼻科医を対象に行った意識調査では、APDの診察経験があると回答した67%のうち、確定診断を下せたと回答したのは12%にとどまったという。

 一般的な耳鼻科でも取り入れやすいAPD診断の手引を作成することを目的にして、阪本氏らは2021年から国の支援を受けながらAMED研究に取り組んでいる。

「今回の研究で、年齢が高くなるにつれ『聞こえにくさで人とのコミュニケーションがつらい』と回答した人の割合が高いと分かりました。学生時代は“天然な子”で済まされていても、社会ではそうはいかない。職場に適応できず、うつを引き起こすケースも少なくないので、早期に診断を受け対策する必要があります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動