採血による厳格なモニタリング「TDM」が必要なクスリもある
TDMを行うには採血をする必要があり、対象となるクスリのほとんどは血中濃度が一番低くなるタイミング(クスリの投与直前)で採血し、血中濃度が測定されます。この濃度をわれわれは「トラフ値」と呼んでいます。トラフ値が高ければ、そのクスリの血中濃度がずっと高い状態に体がさらされているということになり、これは副作用のリスクが高くなるということと同じ意味になります。特にTDMが必要となるクスリの使い始めの頃は、頻回に血中濃度を確認しなければなりません。その後、血中濃度がある程度、有効域内で安定していることが確認できれば、TDMの回数は少なくなっていきます。
高齢者は肝臓や腎臓の機能が低下しているケースもあるため、TDMが必要となるクスリを使う場合には特に注意が必要です。こう聞くと怖く感じられるかもしれませんが、血中濃度をしっかり確認できるということは、しっかり安全に使用できるということでもあります。
ほとんどの場合、通常の検査と同時にTDMも行われます。もし採血結果をもらうことができたら、その項目の中にクスリの名前が含まれていないか確認してみましょう。もしかしたらTDMが必要なクスリを使っているかもしれません。