年間22万人が摂食障害で受診…急増する「過食症」は薬で改善できる
毎日体重計に乗る習慣、パートナーや周囲からかけられた体形に関する心ない言葉、厳格な体重管理が求められるバレエダンサーやモデルといった職業に就いているなど、過食症に陥るきっかけはさまざまだ。10代で発症しやすい拒食症と違い20代で発症しやすく、男性よりも女性に20倍多い。
■食べて吐いてを繰り返し…
ある30歳の女性は、大学生の頃、学園祭のミスコンに出場しようと夕食を抜くダイエットを開始。1カ月で5キロの減量に成功したがその反動から過食に走り、多い日では1日2、3回、食べては吐く生活に。頭の中は常に食べることで埋め尽くされ、帰宅途中は毎日欠かさずコンビニに立ち寄り、菓子パンを10個以上、胃に詰め込んだ。そんな生活が10年以上続いた頃、たまたま受けた歯科検診で歯が溶けていることを指摘され、歯科医師の勧めでメンタルクリニックを受診した。
「診察では、過食が始まった時期と自己嘔吐の頻度を聞きます。中でも過食症の方に共通しているのが、食べ物、主に炭水化物をコンビニで調達している点です。当院を受診される患者さんを見ると、1回の過食につき平均2000~3000円分購入している傾向があるので、診断の重要な指標のひとつになっています」