病気などで胃ろうや人工栄養になり、口から食べられなくなった人には「摂食機能療法」という治療法があります。あまり知られていませんが、保険診療で行え、脳卒中の後遺症で舌や口がマヒして食べられなくなった人、のみ込みができなくなった人などが対象です。この治療で回復した人がこれまで数多く報告され、口から食べることで回復が早まることは医療や介護の現場ではよく知られています。噛む効用はリハビリでも発揮されているのです。
口の健康は食べるという生きる基本を支えています。健康寿命を延ばす秘訣は、口の健康からといってもいいでしょう。=おわり
(医療ジャーナリスト・油井香代子)