長生きしたけりゃ最後は噛む力(4)「口の衰え」がフレイルを招く
最近よく耳にする「フレイル」という言葉をご存じでしょうか? 簡単にいえば、加齢により心身が衰え、病気や要介護になりやすい状態、健康と要介護の中間の状態をいいます。
体だけでなく意欲の低下や人との付き合いも減っていきますが、フレイルは正しい対策をとれば元に戻すことができ、フレイル予防は要介護の予防になるのです。
フレイルは、まず口から始まります。「オーラルフレイル」です。
「口の働きが衰え、噛んだりしゃべったりする力が低下すると、栄養不足を招き、体力の衰えや免疫力、意欲の低下を招きます。ひきこもりになる人もいて、ますますフレイルが進み、いずれは要介護になってしまいます」
日本顎咬合学会の金沢紘史次期理事長は、フレイルを防ぐにはオーラルフレイル対策が重要と強調します。
口の衰えを放置せず、早期発見、早期治療をすればフレイル、ひいては要介護予防になるというわけです。来年から実施予定の「国民皆歯科健診」も、オーラルフレイル対策の一環といえます。