フリーになった途端に発症…上重聡さん帯状疱疹を振り返る
マネジャーもなく、スケジュール管理も全部自分でやってきたので、人の意見を聞くことがなかったのも良くなかったと今になれば思います。
独身一人暮らしなので、全部自分で抱え込んで自分ですべてを完結しようと考えていました。気づけば人に弱みを見せないように振る舞っていたのです。
「フリーになっていきなり弱音を吐くなんてだらしないと思われる」「助けてくださいなんてカッコ悪くて言えない」とかたくなに思って……。
でも、それは自分の思い込みで、まわりはみんな心配してくれていたんです。心を開けば、手を差し伸べてくれる人たちがたくさんいました。不安を相談するのも大事なことだと考えられるようになって、「SOSは早めに出そう」と意識するようになりました。
帯状疱疹になったことをひもといていくと、「自分はそんなに強くない。弱い人間なんだ」と教えてくれたのではないかと思います。
病気以来、より一層、意識するようになったのは「その日の仕事はその日のうちに完結させる」こと。以前から徒歩1時間圏内なら往復歩くようにしているのですが、帰り道で頭を整理して、家に着いた頃にはイヤなことは忘れます。要は家にマイナスな気持ちを持ち込まない。これはあるプロ野球選手がやっていると聞いて、マネするようになりました。