陽子線でがんを狙い撃つ(4)治療を受けるなら最新装置の第3世代

公開日: 更新日:

 重粒子線はがん細胞を殺す力は強く、究極の放射線治療とされるが、治療部位によっては重い障害を発症することがある。陽子線を忍者に例えるとすると、重粒子線はお相撲さん。この疾患には重粒子線、この疾患には陽子線が向いているという研究が現在、進められており、将来的にはおのおのの役割が明確にされるものと思われる。

 陽子線治療を受ける際、治療装置にも目を向けたい。中部国際医療センター陽子線がん治療センターで設置しているのはアメリカ・バリアン社製の世界最新型だ。米ペンシルベニア大と中部国際医療センターにしか導入されていない。

「陽子線治療装置は第1世代、第2世代、第3世代と進化しています。第1世代(ブロードビーム)装置では、X線より優れているとはいえ、がんの複雑な形状に対応しきれていない。当院で導入している第3世代はスポットスキャニング法といって、約4ミリのペンシルビーム(陽子線の細いビーム)で塗り絵のようにがんを塗りつぶしていくので、複雑な形状に対応できる。現時点での放射線治療の中では、正常組織へのダメージを最も抑えられます。複雑な形状の頭頚部がんではこの装置の有用性を実感しています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…