陽子線でがんを狙い撃つ(4)治療を受けるなら最新装置の第3世代

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 重粒子線はがん細胞を殺す力は強く、究極の放射線治療とされるが、治療部位によっては重い障害を発症することがある。陽子線を忍者に例えるとすると、重粒子線はお相撲さん。この疾患には重粒子線、この疾患には陽子線が向いているという研究が現在、進められており、将来的にはおのおのの役割が明確にされるものと思われる。

 陽子線治療を受ける際、治療装置にも目を向けたい。中部国際医療センター陽子線がん治療センターで設置しているのはアメリカ・バリアン社製の世界最新型だ。米ペンシルベニア大と中部国際医療センターにしか導入されていない。

「陽子線治療装置は第1世代、第2世代、第3世代と進化しています。第1世代(ブロードビーム)装置では、X線より優れているとはいえ、がんの複雑な形状に対応しきれていない。当院で導入している第3世代はスポットスキャニング法といって、約4ミリのペンシルビーム(陽子線の細いビーム)で塗り絵のようにがんを塗りつぶしていくので、複雑な形状に対応できる。現時点での放射線治療の中では、正常組織へのダメージを最も抑えられます。複雑な形状の頭頚部がんではこの装置の有用性を実感しています」

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