ニューヨークの地下鉄ホームの大気汚染が低所得者に深刻な影響? 研究結果が波紋呼ぶ
ニューヨークの地下鉄内の大気汚染が、特に黒人やヒスパニックなどの低所得者に深刻な影響を与えていることがわかり、波紋を呼んでいます。
今回研究結果を発表したのは、ニューヨーク大学のチームです。それによれば、ニューヨークの地下鉄内の大気汚染は、場所によってはWHOが定める基準値の15倍以上に達しているとのことです。
ほとんどが建設から数十年から100年近く経過した地下鉄トンネル内では、ブレーキをかける際に車輪とレールの摩擦で発生した金属が大量に沈澱しています。それが列車が通るたびに巻き上げられて、大気汚染の原因になっているというのです。
特にその影響を受けているのは、家賃が安い周辺部に住み、地下鉄での通勤時間が長い低所得者だと指摘。トンネル内の清掃が必要と訴えています。
しかしそれに対し交通局は「この研究は古いデータを元にしたもの。」と反発。さらに、地下鉄のような公共交通機関が温室効果ガスを減らすために、重要な役割を果たしていること。手頃な値段で利用できて、あらゆる人々にとって公平な移動手段であることを強調しています。