介護施設で「大部屋」より「個室」がいいと言い切れない背景
介護施設や有料老人ホームへの入居を検討する時、どのタイプの部屋を希望するか決めなければならない。ひと昔前なら多床室(大部屋)か個室の二者択一だったが、最近はさらに細かく分類され、入居者の介護度、性格、費用などから最適解を選ぶ時代になっているからだ。それぞれご紹介すると……。
▽(従来型)多床室。よくあるのがひとつの部屋に4つのベッドが置かれ、カーテンや家具などで簡易的な仕切りがあるタイプ。いわゆる昔ながらの大部屋だ。費用は安いものの、時代の流れとともに減っている傾向がある。
▽(従来型)個室。こちらも昔ながらの個室。ビジネスホテルのような造りを想像してもらえればいい。それぞれが自分の部屋でプライバシーを保ちながら生活できるタイプだが、自由に歩けない人だと部屋にこもってばかりになる不安がある。
▽ユニット型個室的多床室。大部屋ではあるが、それぞれのベッド周りはパーティションなどでしっかり区切られ、個室風になっている。ユニット型というのはいくつかの部屋(10人分前後)ごとに共有スペースがあり、利用者のコミュニケーションが円滑に行えるよう配慮されている(2021年、個室化を進めたい国の政策により新設が禁止された)。